坂本 佳代
作業員になるな、経営者になれ。
― 新興国の税務署と渡り合ってきた実務家が、日本人に「もう一つの選択肢」を届ける理由
こんにちは、Flagoria Global(フラゴリアグローバル)代表の坂本 佳代(さかもと かよ)です。
2026年、私は自らの「五つの旗」の一つとして、パラグアイの居住権とセデュラ(身分証)の申請を終えました。けれどこれはゴールではなく、あくまで最初の一歩です。世界を舞台に、それぞれの読者が自分の状況やニーズに応じて国を使い分けられるように――複数の国にまたがる「インフラ」を、自らの足で一つずつ実践しながら構築していく。それが私の取り組みです。机上の理論としてではなく、自分自身が一歩ずつ手続きを進める実践者として、このページを開いてくださっているあなたに、まずは心からの感謝をお伝えしたいと思います。
「海外移住」「Plan B」「五つの旗理論」――こうしたキーワードで検索すると、インターネット上には無数の情報が溢れています。けれど、その多くは体験談やインフルエンサーの発信であり、「実際にその国の税務署と渡り合い、現地法人の経営責任を負い、コンプライアンスの最前線に立ってきた実務家」が書いたものは、驚くほど少ないのが実情です。
Flagoriaは、その空白を埋めるために生まれたメディアです。このページでは、私がなぜこの道を選び、何を大切にしてこのサイトを運営しているのかを、包み隠さずお話しします。
私の実務家としての歩み ― 「作業員」ではなく「経営者」であるために
私のキャリアは、決して華やかなスタートではありませんでした。28歳、簿記の知識はゼロの状態から独学で学習を始め、30歳で会計事務所(東京コンサルティングファーム)に飛び込みました。そして入社からわずか1年8か月で、インド・バンガロール支店長に就任することになります。
以来11年間、会計・税務の実務に携わり、そのうち8年間を、インドとカンボジアという「新興国の最前線」で過ごしてきました。
株式会社東京コンサルティングファーム(2014年11月〜2019年)に入社。当初は国内勤務を経て、2016年6月よりインド・バンガロール支店長として駐在。支店の経営管理から、現地日系企業への税務アドバイザリー、州外取引・海外取引を含む複雑なインド税務実務、さらには現地法人の撤退コンサルティングまでを一手に担いました。
辻本郷税理士法人(2019年〜2024年)では、カンボジア現地子会社の代表取締役として駐在。従業員25名(うち現地税理士4名)を率いる経営者として、業績管理・組織マネジメント・顧客開拓のすべてに責任を持ちました。移転価格や国際取引に関するアドバイザリーはもちろん、現地税務当局による包括調査・限定調査への対応と交渉という、最も緊張感のある実務の最前線に立ち続けました。
その後税理士法人山田&パートナーズの海外事業部でも、カンボジア・フィリピン・ベトナムをはじめとする各国の税法や法改正について、実務家としての知見を発信し続けてきました。
現場に立ち続けながらも、専門知識のアップデートを怠らないことは、実務家としての私の譲れないポリシーです。カンボジアでは現地の公的な会計監査人協会(KICPAA)のアフィリエイトメンバーとして登録し、カンボジア税法およびIFRS for SMEsのディプロマ試験にも合格するなど、「現地の制度を原文で読み解く力」を実務と並行して磨き続けています。
新興国の税務署と直接渡り合う現場に立つ人間だからこそ、机上の理論と現地の実態の両方を裏付けを持って語れる――そのための、終わりのない学びだと考えています。
新興国で言葉と文化の壁を越え、現地スタッフと日本本社の間に立ち、税務署という「国家権力」と泥臭く交渉してきた経験は、机上の情報だけでは決して得られないものです。かつて最初の会計事務所の会長にかけられた「作業員になるな、経営者になれ」という言葉は、今も私の実務家としての背骨であり続けています。
なぜFlagoriaを立ち上げたのか ― 「正しい世界のルール」を届けるという使命
東欧での衝撃、そして8年ぶりに見た日本
転機は、2025年に東欧ブルガリアで参加した「Bansco Nomad Fest」でした。コロナ禍を経て世界中に増えたデジタルノマドや、特定の国に縛られず生きる「パーペチュアルトラベラー」たちと出会い、彼らの自由な生き方と、その裏側にある洗練されたアセットプロテクション(資産保全)戦略に強い衝撃を受けました。
通算8年にわたり日本を離れていた私が、久しぶりに帰国したときに感じたのは、率直に言えば「戸惑い」でした。経済的な変化、社会の空気、そして新興国の税制を骨の髄まで知り尽くした実務家の目で改めて日本の税制を見たときに痛感した、税金と社会保険料という「二重の重圧」――これらが、多くの日本人から知らず知らずのうちに「選択肢」を奪っているのではないか、という危機感でした。
なぜ、あえて「未開の地」なのか
先進国やアジアの主要国に関する情報は、すでにインターネット上に溢れています。だからこそ私は、多くの日本人にとってまだ一次情報が乏しい中南米という「未開の地」に、自らの足で立つことを選びました。その最初の実践地として選んだのがパラグアイです。
ただし、Flagoriaが目指しているのは「パラグアイに移住しましょう」という単純な話ではありません。国籍・居住・銀行・事業・プレイグラウンド――五つの旗をどこに、どのように組み合わせて立てるべきかは、読者一人ひとりの資産状況、家族構成、事業内容によってまったく異なります。だからこそ私は、パラグアイを皮切りに、今後は中南米の他国、さらにはアフリカを含む複数の国へと調査・実践の範囲を広げ、「状況に応じて国を使い分けられるインフラ」を、自らの足で一つずつ構築していきます。現地の法律・官報という一次資料を自分の目で読み込み、現地の弁護士や関係当局に直接確認したものだけを、皆さんにお届けする。これが、実務家としての私の変わらないスタンスです。
コンプライアンスなき「Plan B」に価値はない
新興国の税務調査の現場で、ルールを軽視した企業や個人がどれほど破滅的な結果(多額の追徴課税や事業停止)を招くかを、私は数えきれないほど見てきました。だからこそFlagoriaは、「五つの旗理論」を、脱税やグレーゾーンの手法としてではなく、合法的かつ透明性のある「資産・人生の分散戦略」として伝えることを何よりも大切にしています。
国籍・居住・銀行・事業・プレイグラウンド――五つの旗のどれを立てるにしても、日本の税制(全世界所得課税、国外転出時課税、国外財産調書、CRSによる自動的情報交換など)を正しく理解し、信頼できる専門家(日本の税理士、現地の弁護士)と連携しながら進めること。それこそが、私たちが自信を持ってお届けできる、唯一の「本物の道」です。
読者であるあなたへ ― Plan Bを、実務家として一緒に歩みます
Flagoriaのミッションはただ一つです。
未来の子供たちに、世界を舞台にした、より多くの「選択肢」を持ってもらうこと。そのための正確な道標(一次情報)となること。
これは決して、「日本を捨てよう」という話ではありません。多くの実践者がそうであるように、日本との深いつながりを大切にしながら、いざという時のための「もう一つの拠点」「もう一つの選択肢」を、焦らず、着実に築いていく――そのための伴走者でありたいと、私は考えています。
インドとカンボジアで税務当局と渡り合ってきた実務家として、そして今、南米という新しいフロンティアに自ら身を置く挑戦者として、私はこれからも、噂やコピペ情報ではない「一次情報」にこだわり続けます。
あなたが、あなた自身と大切な家族、そして未来のために「もう一つの旗」を立てようとするとき、Flagoriaがその最初の、そして最も信頼できる道標となれれば幸いです。パラグアイは、その出発点にすぎません。これから中南米各国、そしてアフリカへと自ら足を運び、一次情報を一つひとつ検証しながら、「状況に応じて国を使い分けられる」ための実践的なインフラを、皆さんと共に築いていきます。
これからも、どうぞよろしくお願いいたします。
Flagoria Global代表 坂本 佳代
